「削る」と「削除」の違い
法律や定款などの改正の際の新旧対照表で「削る」とか「削除」とか見かけることがありますが、この両者には違いがあります。
「削る」は、その文書の構造をなくしてしまう改正で、条項そのものをなくす場合に用います。つまり、後ろの条項の番号が繰り上がります。
「削除」は、本文はなくなるが、条項そのものは残す場合に用います。つまり、後ろの条項の番号が繰り上がらりません。
「削除」が使われている条文でよく例示されるものとして、民法第38条から第84条が挙げられます。
民法第38条から第84条は、もともと「法人」に関する条文でしたが、平成20年12月1日の「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」などの法人関連の法律の施行により削除されました。
もしこれらの条文を「削除」でなく「削る」で対応した場合に、民法第85条以降がすべて繰り上がってしまい、特に準用する条文番号もすべて見直す必要があることから「削除」で対応することになります。
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