相続

2017年12月27日 (水)

公正証書遺言における公証人への手数料

公正証書遺言を作成したときに、公証人に支払う手数料は、公証人手数料令(以下「令」という)に定められています。
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=405CO0000000224&openerCode=1

例えば、太郎さんの財産が、不動産(6000万円)と銀行預金(4000万円)であり、不動産は妻に、銀行預金は長男に相続させる旨の遺言書を作成するとします。

遺言公正証書の作成手数料は、遺言により相続させ又は遺贈する財産の価額を目的価額として計算し、相続人・受遺者ごとに別個の法律行為になります。

具体的な手数料額は、令9条の別表に規定されており、上記の例だと、妻への相続分の手数料として4万3000円、長男への相続分の手数料として2万9000円となり、その合計額は7万2000円となります。

ただし、令19条で「遺言加算」という特別の手数料を定めており、1通の遺言公正証書における目的価額の合計額が1億円までの場合は、1万1000円を加算すると規定しているので、8万3000円が手数料となります。

もし、太郎さんが病床で公証役場に出向くことができない場合には、公証人が出張して遺言公正証書を作成することになりますが、この場合の手数料は、遺言加算を除いた目的価額による手数料額の1.5倍が基本手数料となり、これに、遺言加算手数料を加えます。

上記の例だと、7万2000円×1.5+1万1000円=11万9000円が手数料になります。

出張の場合、別途に、旅費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要です。

その他、正本・謄本の交付手数料が、令40条により、1枚につき250円かかります。

作成された遺言公正証書の原本は、公証人が保管しますが、保管のための手数料は不要です。

ご参考にしてください。

こちらもご参考ください。
【藤谷司法書士事務所】の「遺言」のページ

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2017年12月18日 (月)

遺言書を書いた後に気をつけること

民法1023条は、次のように規定されています。
「1 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
 2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。」

例えば、一郎さんが、自分の子どもである太郎さんと花子さんに次の通りに遺言書を作成したとします。
「太郎に、A不動産とB銀行の預金を相続させる。
 花子に、C銀行の預金を相続させる。」

一郎さんが、遺言書を書いた後に、A不動産は第三者に贈与し、B銀行の預金を解約してD株式を買ったとします。

このまま一郎さんが亡くなった場合、A不動産とB銀行の預金については、民法1023条2項により、遺言を撤回したものとみなされます

つまり、一郎さんが亡くなった場合、相続財産は、C銀行の預金とD株式ということなります。

そして、C銀行の預金は花子さんが相続し、D株式については太郎さんと花子さんで遺産分割協議をすることになります。

もし仮に、「遺言書に記載されていない財産については、花子が相続する」旨の条項があった場合、全ての財産につき花子さんが相続することになります。

もちろん、一郎さんが遺言書を書いた後に、自分の財産をどう処分しようと自由です。

しかし、自分の死後に揉めないように遺言書を書いたとしたら、財産処分後に遺言書を書き直すことも必要かと思います。

ちなみに、遺言書は何回でも書き直すことができ、民法1023条1項により、前に書いた遺言と後に書いた遺言で抵触する部分があるときは、後に書いた遺言が有効となります。

遺言書を書いた後に財産を処分して、いざ、遺言者が亡くなり、遺言書に書いてある財産がなくなったがためにもめるケースもありますので、ご注意ください。

こちらもご参考ください。
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2017年5月29日 (月)

「法定相続情報証明制度」が本日スタート

本日から、全国の登記所(法務局)において、各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」が始まりました。

「法定相続情報証明制度」がどんな制度で、どう使うかについては、日本司法書士会連合会のHPにわかりやすく解説されているので、下記リンクをご覧ください。
http://www.shiho-shoshi.or.jp/html/hoteisozoku/index.html

相続に関するご相談がありましたら、「法定相続情報証明制度」についてもご説明させていただきますので、当事務所にお問い合わせください。

こちらもご参考ください。
【藤谷司法書士事務所】の相続のページ

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2016年4月29日 (金)

遺留分とは

 相続人のために民法で定められている一定割合の相続財産を、「遺留分」といいます(民法第1028条)。
 本来、被相続人は自己の財産を自由に処分できますが、一方で、相続人には相続期待権もあり、相続人の生活保障も必要というところからこの規定が設けられた趣旨です。

 遺留分を主張できる人(遺留分権利者)は、兄弟姉妹を除く相続人です。
 兄弟姉妹には、遺留分がございませんのでご注意ください。

 遺留分として請求できるのは、下記のとおりです。
  ① 直系尊属のみが相続人である場合:被相続人の財産の3分の1
  ② ①以外の場合:被相続人の財産の2分の1

 各相続人の遺留分は、上記の割合に乗じた割合となります。

 たとえば、甲野太郎さんの相続財産が預貯金のみで1200万円、相続人が妻の法子さんと、母親の律子さんの2人で、太郎さんが「全財産を(愛人の)乙野花子に遺贈する」旨の遺言書を遺していたとします。
 この例では、乙野花子さんに対して、法子さんが400万円、律子さんが200万円の遺留分を主張できることになります。

 時々、遺留分を侵害する遺贈などが無効になると誤解されている方がいらっしゃるのですが、当該遺贈など自体は有効であり、上記の例のように遺留分権利者が遺留分を限度として遺贈などの効力を消滅させることができる(遺留分減殺請求)ができるに過ぎないのです。

 ちなみに、遺留分減殺請求できるのは、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内にしなければなりません(民法第1042条前段)。
 また、相続開始の時から10年を経過したら、時効で消滅します(民法第1042条後段)。

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2016年2月29日 (月)

限定承認

限定承認とは、プラス財産とマイナス財産のどちらが多いかわからない時に、相続財産の範囲内で負債を相続する手続です。

ただ、この手続は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、相続人全員が申述しなければなりません。

また、申述後も手続が面倒であり、相続人全員でしなければならないことから、実際、マイナス財産があるかもとなれば、相続放棄の手続きを選ぶのがほとんとです。

実際、平成26年の司法統計年表によると、全国で相続放棄が年間約18万件に対し、限定承認は年間1000件に満たないのが実情です。

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2015年11月29日 (日)

自筆証書遺言書の文面全体に故意に斜線を引いたら…

今月20日に、遺言書の無効に関する最高裁判決が出されました。

遺言者が自筆証書遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し遺言を撤回したものとみなすとの判断が下されました。

判決の全文は、こちらのリンクをご参照ください。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85488

遺言については、民法で厳格なルールが定められています。

詳しくは、こちらをご覧下さい。
【藤谷司法書士事務所】の「遺言」のページ

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2015年7月30日 (木)

勝手に開封した遺言書

自筆証書の遺言書を開封するには、家庭裁判所で「検認」手続をする必要があります。

遺言書の検認については、2014年5月31日のこのブログで紹介していますので、下記リンクをご覧ください。
http://m-fujitani.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-c923.html

「裁判所外で勝手に開封したら相続権を失う」と思っている方もいるようですが、故意に遺言書を隠匿・変造したということがなければ、開封者が相続権を失うということはありません。

但し、5万円以下の過料の制裁を受けることになりますので、ご注意ください。

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2014年8月30日 (土)

相続放棄

被相続人の負債が多いなど相続することによって負担になるケースや、家業の経営を安定させるために後継者以外の兄弟姉妹が相続を辞退するときなどに、「相続放棄」をすることがあります。

「相続放棄」は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所を管轄する家庭裁判所に申述しなければなりません。

この3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなかった場合には、単純承認といって、相続を承認したことになります。

相続の相談で、よく「相続を放棄した」と言われることがあれますが、「相続開始後3ヶ月以内に家庭裁判所で手続を採りましたか」と尋ねても、ほとんどが「いいえ」と返ってきます。

これは、あくまで「遺産分割」において、自分の取り分をいらないと言ったにすぎませんが、これを「相続放棄」と思っている方が実に多いので、ご注意下さい。

こちらもご参考下さい。
【藤谷司法書士事務所】の相続のページ

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2014年5月31日 (土)

遺言書の検認

遺言書の保管者や遺言書を発見した相続人は、相続の開始を知った後、すみやかに遺言書を家庭裁判所に提出して「検認」を受ける必要があります(公正証書遺言の場合は除きます)。

遺言書の検認を経たら遺言は有効と誤解されている方が結構多いですが、遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

遺言書の検認とは、家庭裁判所が遺言書の存在及びその内容を確認するため、遺言書の状態、日付、署名等を調査して、検認を受けた日における遺言書の内容を確認して、その後における遺言書の偽造・変造を防止するための保全手続に過ぎません。

このように、自筆証書遺言は、預金の払い戻しや相続登記などの相続手続きをする前提として検認手続が必要になりますし、また民法所定の形式に則っていないために遺言自体が無効になるケースも多いです。

詳しくは、こちらをご覧下さい。
【藤谷司法書士事務所】の「遺言」のページ
【藤谷司法書士事務所】の「相続・遺言・成年後見の関係」のページ

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2013年11月30日 (土)

相続分の譲渡

【相続分の譲渡の意義】

相続分の譲渡とは、相続人が遺産分割前に自分の遺産全体に対する各共同相続人の包括的持分(法定相続の割合)を、他の共同相続人その他の第三者に譲渡することをいいます。

なお、遺産中の個々の財産または権利についての持分譲渡を意味するものではありません。

譲渡は有償でも無償でも構いません。

既に取り分が決まっているが特定の相続人とのトラブルを避けるためや、遺産分割が成立するまでに時間がかかるから早急に相続分を換価したい場合などに、「相続分の譲渡」がされることがあります。

【相続分の譲渡の効果】

相続分の譲受人は、遺産分割を請求する権利を有します。譲受人を除外した遺産分割協議は無効です(通説)。

これに対し、相続分の譲渡人は、遺産分割協議に参加することはできません。

それから、相続分の譲受人は、マイナス財産についても承継することになります。

但し、譲渡人は、相続債権者との関係では、相続債務の負担義務を免れることはできない点にご注意下さい。

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