労働問題

2010年5月25日 (火)

過労死訴訟:「日本海庄や」社長らに7860万円賠償命令

時間外労働が月80時間を切るようだと基本給が下がるシステムにびっくりです。

過労死訴訟で、役員個人の責任を認めたことは、画期的な判決だといえます。

過労死の起きない労働環境づくりを目指してほしいものです。

【過労死訴訟:「日本海庄や」社長らに7860万円賠償命令】
http://mainichi.jp/select/today/news/20100525k0000e040048000c.html

07年8月に突然死した飲食店チェーン「日本海庄や」従業員、吹上元康さん(当時24歳)の両親が、過重な時間外労働が原因だとして、経営する「大庄」(東京都大田区)と平辰社長ら役員4人に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、京都地裁であった。大島真一裁判長は同社の安全配慮義務違反を認め、連帯して約7860万円を支払うよう命じた。

原告代理人の松丸正弁護士は「こうした訴訟で役員ら個人の責任を認めるのは珍しい」と話している。

判決によると、吹上さんは07年4月に入社し、大津市の石山駅店で調理や接客を担当。出勤日は午前8時半から午後11時まで働き、死亡前4カ月間の月平均時間外労働は過労死の認定基準(月80時間)を超える112時間に上っていた。

同社は基本給に時間外労働80時間分を組み込むシステムを採用。大島裁判長は「到底、労働者の生命・健康に配慮しているとは言えない」と指摘し、社長ら役員について「悪意か重大な過失で、そのような体制をとっていた」とした。

大津労働基準監督署は08年12月、死亡と業務の因果関係を認めて労災認定し、09年4月には大庄と石山駅店長を労働基準法違反容疑で書類送検している。

吹上さんの父、了(さとる)さん(61)=京都市=は「子供を返してほしいというのが今の気持ち。判決はうずもれている過労死の被害者に大きな励みになったのでは」と話した。

大庄は「遺族に改めてお悔やみ申し上げます。判決内容を検討して対応を考えたい」としている。

(2010.5.25 12:18 毎日jp)

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2009年12月 2日 (水)

河合塾、非常勤講師1000人にも失業保険

雇用情勢が厳しい中、画期的だと思いましたので紹介します。

【河合塾、非常勤講師1000人にも失業保険】
http://sankei.jp.msn.com/life/education/091202/edc0912021318005-n1.htm

大手予備校の河合塾(名古屋市)は来年4月から、これまで請負や業務委託だった非常勤講師と雇用契約を結び、組合との団体交渉にも応じる。非常勤講師らが加入する首都圏大学非常勤講師組合(東京)が2日、発表した。失業保険や私学共済に入れるようになるという。河合塾の非常勤講師は約千人。同組合は「大手予備校が直接雇用契約を結ぶのは初。不安定な非常勤講師の雇用が改善される一歩だ」と歓迎している。

同組合によると、非常勤講師のほとんどは失業保険に入れなかった。組合側は昨夏、見直しを求めて団体交渉を求めたが拒否され、東京都労働委員会に不当労働行為の救済申し立てをしていた。

河合塾の新しい講師制度では、非常勤講師が雇用か委託を選択できる。河合塾は、雇用を選んだ講師が加入する組合とは団体交渉に応じるという。別の予備校でも講師をしたい場合などには委託を選択できる。

(2009.12.2 13:14 MSN産経ニュース)

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2009年11月28日 (土)

いよいよ実施か ~ 失業者の問題まとめて相談、17都道府県で30日

10月16日のブログで紹介しました、ハローワークでの「ワンストップ・サービス」の実施に向けて、明後日の30日に試行実施されるようです。
http://m-fujitani.cocolog-nifty.com/blog/cat21607816/index.html

明後日の試行実施が、今後、どのように生かされるか注目したいです。

【失業者の問題まとめて相談、17都道府県で30日】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091128-OYT1T00892.htm?from=top

就職支援だけでなく、生活保護や住宅支援など失業者が抱える問題の相談窓口をハローワークに集めて対応する「ワンストップ・サービス」が30日、17都道府県の77か所で試行される。

政府は試行結果を踏まえ、定期開催や年末年始の開催につなげたい考えだ。

求職はハローワーク、生活保護は福祉事務所、公営住宅など住まいの相談は自治体と窓口が分かれているため、「失業者がたらい回しにされている」との批判が出ていた。当日は、弁護士や臨床心理士が多重債務や心の健康相談に応じる所もある。生活保護については相談のみで、申請は受け付けない。

東京、愛知、大阪では全ハローワークで実施。残りは政令市のハローワークが中心で、政令市以外では、千葉県船橋市や神奈川県横須賀市、岐阜市などで開催する。

開催場所は厚労省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)で確認できる。

(2009.11.28 21:22 YOMIURI ONLINE)

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2009年11月27日 (金)

アルバイト過労に労災認定 残業160時間、統合失調症

アルバイトなど非正規雇用労働者の過労労災認定は珍しいようですが、現在の雇用情勢・労働環境からすると、今後はこのような労災事例も増えるのかなと憂慮してしまいます。

とにかく、景気が回復し、雇用情勢・労働環境が改善されることを望みます。

【アルバイト過労に労災認定 残業160時間、統合失調症】
http://mainichi.jp/life/job/news/20091127k0000e040072000c.html

月160時間を超える残業をしていた神奈川県在住の元コンビニエンスストアのアルバイト男性(42)が、過重労働が原因で統合失調症を発症したとして労働災害が認定されたことが分かった。長時間・過重労働などを原因とする過労死、過労自殺の労災認定は、増加傾向にあるが、アルバイトなど非正規雇用労働者の過労労災認定は珍しい。長時間労働が正社員だけではなく、非正規まで広がっていることを浮き彫りにした。

男性や労災申請を支援した神奈川労災職業病センターによると、男性は神奈川県内の「サークルKサンクス」で1998年からアルバイトしていた。次第に労働時間が長くなり、もうろうとして働いているところを家族が見つけ、07年11月に仕事を辞めさせた。

申告を受けた労基署は、05年の3月や10月などに月間160時間を超える残業をしている事実をレシートの記録などから確認、「恒常的な長時間労働があり、精神的負荷が強くかかった」ことを原因に統合失調症を発症したとして業務上の災害と認定した。認定は今年9月。

認定では、男性は05年12月以前に発症したとされ、発症から2年近く症状を抱えたまま働いていたことになる。

男性の労働時間を記録したメモによると、この間、月に350~529時間働いていた。ほとんど、店に寝泊まりして働く状態で、賃金は30万円の固定給与だったという。

男性は現在、リハビリを兼ねて働いている。同センターの川本浩之さんは「不安定な雇用の中で常軌を逸した働かされ方をしている。非正規にまで広がった長時間労働を改めていく必要がある」と話している。

長時間・過重労働を巡る労災に関しては、うつ病など精神障害の労災で、08年度は927件(うち自殺148件)の申請のうち、30~39歳が303件、20~29歳が224件と20~39歳で5割を超えている。08年度は労災認定件数が過去最多だった。

サークルKサンクス広報部は「労災の認定を受けたことは承知しているが、詳しい内容は把握しておらずコメントできない」と話している。【東海林智】

(2009.11.27 15:00 毎日jp)

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2009年10月16日 (金)

求職と生活保護、ハローワークで一括申請へ

政府は15日、年末に向けた緊急雇用対策の一環として、全国のハローワークで、職業あっせんのほかに生活保護の手続き、全国の社会福祉協議会で受け付けている失業者への生活費貸し付け、住まいを確保するための入居の初期費用の貸し付けなど複数の制度申請を行えるようにする「ワンストップサービス」を実施する方向で検討を始めました。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091015-OYT1T01418.htm

失業による貧困を物語っている状況といえるでしょう。

縦割り行政の多い中、行政の「ワンストップサービス」がうまく機能できるのかという気もしますが、この構想がうまくいけば、新たな行政の姿も見えるのではとの期待も持てます。

生活保護の適正な給付を期待するとともに、安定した雇用を生み出せる日本を作り上げて欲しいと思います。

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